脳出血で2番目に多い視床出血とは?
あらゆる病気の中でも発症後には半身不随などの症状を伴うことで、
予後が大変なのが脳出血なのですが、脳出血がおこる部位は大体決まっており、被殻や視床、皮質下、小脳や橋などです。
脳出血のなかでは被殻出血に次いで2番目に多いのが視床出血で、現在のところ、全体の約3割程度を占めているのが現状です。
「視床」は大脳半球と中脳の間にある間脳の左右に一対ずつあります。
触覚や痛覚など感覚の中継点であり、様々な感覚の集約も行っています。
視床出血の症状
視床出血の症状は、半身に激しい痛みを感じたり、麻痺などの感覚障害や意識障害を起こしたりします。
ほかの脳出血に比べて、感覚の中継点であるため感覚障害が重度になります。
また、麻痺側に強い痛みがでる視床痛も発症します。
症状を感じた際にはいち早く病院を受診することが大切となるでしょう。
視床出血の原因と予防
原因として考えられるのは高血圧や動脈硬化、糖尿病などの持病によるものが大きく、
中でも高血圧は、脳内に圧力がかかることで血管がもろくなり、血管が破れることで発症させてしまいます。
予防法としては血圧を下げるためにも過度の喫煙や飲酒などはできるだけ下げて、
バランスの良い食事や適度な運動、良質な睡眠など生活習慣そのものを正すことが大切です。
こうした、生活習慣の見直しで改善されない場合には、降圧剤や利尿剤などの薬剤を使った治療法も適用されます。
視床出血の治療と予後
視床出血を起こしてしまった場合は、手術は適応にならないことが多いのが現状です。
これは、脳の中央に位置していることと近くに内包後脚という感覚・運動神経の線維束が通っているためです。
手術によって神経を損傷してしまう恐れがあるからです。
ただし、血腫が脳幹を圧迫する場合は手術することもあるので医師の判断に任せましょう。
視床出血の予後は、発症後に意識障害が弱い場合は良好なのですが、血腫が脳幹にまで及んだ場合には半身麻痺などがおこりやすくリハビリなどが必要となります