くも膜下出血の検査と診断



くも膜下出血が疑われる場合の検査

くも膜下出血は脳動脈瘤の破裂が原因で起こります。

引用元:matome.naver.jp

それによってくも膜下腔に大量の血液が流れ込んでしまい、頭蓋内圧が上昇して脳実質を圧迫します。

脳実質が圧迫されると、圧迫されて障害を受けた脳部位に沿った症状が出現し、

呼吸や循環などの生命維持の機能も障害され、最悪、突然死を招くこともあります。

また、動脈瘤は24時間以内に再破裂する確率が高いので、早期に動脈瘤の発見、検査と治療を行うことが重要です。

 

 

CT検査

くも膜下出血が疑われる場合にはまずはCT検査が行われます。

脳出血とくも膜下出血では、同じ脳の出血ですが鑑別は容易です。

脳出血は脳の中に白く血腫が写りますが、くも膜下出血の場合は、脳の表面で頭蓋骨のすぐ内側に血腫が写し出されるのです。

MRI検査

くも膜下出血が疑われる場合でもCTに写し出されないこともあります。

引用:rad-base.com

それは出血量が少なかったり、出血から時間がたつと血腫が自然と吸収されることがあるためです。

この場合にはMRI検査を用いることがあるのです。

脳血管造影検査

くも膜下出血が確認できたら、詳しくどの部位にあるのか、他の動脈瘤がないかも調べるため、脳血管造影検査を行います。

脳血管造影検査は、足の付け根の動脈からカテーテルを挿入して脳血管まで運びます。

そこで造影剤を注入して脳血管を造影します。

しかし、発症直後であれば再破裂の危険性もあります。

そこで最近では、CTAやMRAなどの他の造影方法を選択することが増えています。

これらの方法は造影剤を使わないため患者の負担が少なく済むのです。

脳血管造影検査でわかること

くも膜下出血の原因の判別

脳動脈瘤によるものなのか脳動静脈奇形によるものなのかを判別

脳動脈瘤の大きさと場所

脳動脈瘤が原因の場合は、その位置や部位、数を知ることができます。

未破裂の動脈瘤もみつけれるため、その後の再破裂を未然に防ぐこともできます。

 

腰椎穿刺

CT検査とMRI検査でもくも膜下出血を確認できない場合には、腰椎穿刺を行います。

腰椎穿刺は、腰の脊椎に針を刺して脳脊髄液を採取します。

正常の場合は髄液の色は透明ですが、くも膜下出血の場合は髄液は赤や黄色に濁っています

腰椎穿刺を行ってはいけない場合

腰椎穿刺は、脳のくも膜と軟膜の間に存在する髄液を採取する検査です。

くも膜下出血によって頭蓋内圧が上昇しているときに腰椎穿刺をすると髄液が減少し、

血餅による破裂動脈瘤に対する圧迫を減らし、さらなる出血を助長するリスクがあります。

そのため、CT検査やMRI検査によってくも膜下出血が確認できる場合には、腰椎穿刺は行いません。

 

また頭蓋内圧が上昇しているときに腰椎穿刺を行うと、圧の格差が生じて脳ヘルニアを起こしてしまうリスクもあります。

そのため脳ヘルニアが疑われる場合も腰椎穿刺は禁忌になります。





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