脳浮腫のメカニズム、分類を解説



脳浮腫をほおっておくと危険なことに

脳浮腫というのは非常に危険な状態を意味しています。

硬膜下血腫や脳出血などで脳内の圧力が高くなっていることに他ならないからです。

脳は脊髄液という体液のなかで一定の圧力で維持されるように循環しています。

ところが脳出血などで循環量を上回る体液が流入するとこの均衡がたちまち崩壊の瀬戸際に立たされることになります。

脳圧に耐え切れず、脊髄などに脳組織が脱出する脳ヘルニアを生じると生命の危機に直面することになるのです。

血管性脳浮腫とは

血管性脳浮腫とは脳内に出血などの過剰な体液が短時間の間に流入したことで、

脳細胞は圧迫にさらされて死滅の危機にさらされている状況です。

くも膜下出血や出血量が100㏄を越えるような深刻な脳出血などが引き金になるものです。

 

 

脳浮腫が一度発生すると、深刻なダメージがもたらされるので片麻痺はもちろんのこと

遷延性の意識障害などの深刻な後遺症を残す事態が懸念されます。

脳出血のリスクは高血圧です。

日頃の血圧管理が重要です。

間質性脳浮腫とは

間質性脳浮腫とは脳梗塞などが原因で生じることの多い水頭症がきっかけになることの多い脳圧の上昇

にともなって発症が頻繁に観察される症状です。

脳には不要な物質が脳内に侵入しないように「脳血液関門」という仕組みが備わっていますが、

脳梗塞や脳出血などの疾患が引き金になって、その機能が破綻してしまうことがよくあります。

その結果循環で調整される筈の体液が脳室などに滞留し脳圧があがることがあります。これが間質性脳浮腫を引き起こすわけです。

細胞毒性脳浮腫とは

脳浮腫のなかでも脳虚血や外傷や脳卒中による低酸素脳症

肝機能障害による肝性脳症や腎機能障害に起因する高濃度のアンモニアなどによって引き起こされるのが細胞毒性脳浮腫になります。

これらの脳浮腫は脳細胞に毒性を有する電解質や脳圧の上昇によってもたらされるものです。

原因疾患の症状を改善すれば好転する余地はありますが、

肝機能障害などが深刻になっていると予後は芳しいものではないので、その前段階での治療がポイントになります。

脳浮腫への対応

脳浮腫とは別名に「脳ヘルニア」ともよばれているほどなので、

そのまま放置すれば脳幹部に深刻なダメージを及ぼすので死亡の転機を辿ることになるので

脳圧コントロールのための「グリセール」などの持続的投与や電解質のバランスの失調による循環器不全を防止するために点滴などが行われます。

速やかに脳浮腫の改善が見られた場合には回復もみこめますが、

発症部位によっては深刻な後遺症が残る場合もあります。浮腫を生じる前に適切な医療ケアをうけることが回復のカギになります。





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