脳ヘルニアの症状、原因、診断、治療法をまとめました



脳ヘルニアとは?

身体の中の一部があるべき場所から出てしまっている状態・それをヘルニアと言います。

椎間板ヘルニアが有名ですが、脱腸や出べそもこれに当たります。

脳ヘルニアとは脳組織の一部が脳内よりはみ出してしまう状態

頭蓋骨内が一定の閉鎖された空間であることから脳梗塞や脳出血・脳腫瘍などの原因により

頭蓋内圧亢進が起きたことで脳組織が圧迫されて圧から逃げようと出て行ってしまうのです。

 

発生した部位により、テント切痕ヘルニアや小脳扁桃ヘルニアなど4つに分類することができます。

脳ヘルニアの症状

脳ヘルニアとなった場合、どの部位に生じているかで症状は異なります

意識や呼吸・視野に障害が出たり麻痺してしまうこともありますが、それは脳幹が圧迫された場合です。

延髄にダメージを受けた場合には呼吸障害や意識消失を受けることもあります。

運動障害や感覚障害が起こり麻痺・しびれといった症状を訴えることもあります。

発生個所によって、命の危険をも脅かすこともあるため、大変危険な病気です。

延髄など生命の根幹に関わる部分に近いほど重症化します。

脳ヘルニアの検査、診断

 

●CTやMRIなどの画像診断

●麻痺や対光反射の消失などの神経症状

●意識レベル

●嘔吐の有無

●呼吸様式

 

 

脳内を調べなければなりませんから、CTやMRIによる検査が行われることになります。

MRIの方がむくみの状態など詳しく調べられる反面、時間がかかるため緊急時はCT検査が優先化されます。

 

麻痺や対光反射の消失といった神経症状が起こっていないかどうか、身体所見も見られるでしょう。

その他にも、呼吸様式や嘔吐の有無・意識レベルなども見た上で、

どの部位に脳ヘルニアが起こっているのかを詳しく調べられ、それぞれに適した治療を行われるのです。

 

脳ヘルニアの治療

脳圧を下げるための治療・そして上昇していることによって起こっている病変の治療と並行して行われるのが一般的ですが、

もしも命に関わるレベルならまずは脳圧を下げる治療が優先されます。

 

そのためには、薬を投与したり頭蓋骨の一部を取って開放させる開頭減圧術・脳のダメージを軽減させる低体温療法が取られます。

急性水頭症を併発していた場合、それが更に上昇させる原因となってしまうので、

髄液のドレナージを行うことで水頭症のダメージ改善のための治療も並行で行われるのです。

脳ヘルニアの予防

脳ヘルニアにより圧が高まり、脳内の大切な部位が圧迫されて異常をきたし始めるにはある程度の時間がかかります。

何らかの異常を感じたら早めに検査をすることが、脳ヘルニアの予防となるのです。

急性症状が起こる場合も、激しい頭痛や嘔吐がまずは発生するでしょう。

早朝頭痛や眩暈・視力障害などあれば病院で相談してみてください

長い時間をかけて徐々に現れてくる慢性症状かもしれません。

慢性症状も命には関わらないとはいえ、記憶障害や人格変化など大きな症状の元となります。





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