小脳梗塞とは?
小脳は脳の一部分で、大脳の後下部にある中枢神経がある部分のことをいいます。
主に運動機能をコントロールしたり、体の平衡感覚を司ってバランスを保つ機能を有しています。
小脳梗塞とは、小脳の血管が詰まってしまうことをいいます。
脳梗塞の中では割合は低いとされており、発症は全ての脳梗塞の4%程度にとどまっています。
また、血管が破れることは小脳出血といいます。
小脳梗塞は小脳出血よりも4倍近い頻度で発生すると言われています。
小脳梗塞の症状
小脳は運動機能をコントロールしているので、小脳梗塞になると手足の動きがぎこちなくなったり呂律が回らなくなったりします。
体の平衡感覚も損なわれてしまうので、ふらついて立てなくなることもあります。
小脳を障害して特徴的な症状としては
●運動失調
●回転性めまい
●繰り返す嘔吐
といった症状です。
また、
脳梗塞が起こると脳は腫れますが、脳浮腫が進行して脳幹を圧迫すると意識障害につながることもあります。
脳幹は呼吸もコントロールしているので、呼吸が止まってしまうこともあり非常に危険です。
小脳梗塞の原因と予防
小脳梗塞は、主に血栓症や塞栓症によって引き起こされます。
高血圧・糖尿病・高脂血症など生活習慣病の人は動脈硬化が起こりやすく、血管も詰まりやすい傾向にあります。
また、他の場所で作られた血栓が小脳に飛んできて血管を詰まらせることもあるようです。
小脳梗塞は怪我が原因で起こることもあり、先天的に椎骨動脈が細かったり狭かったりすることも影響すると言われています。
怪我が原因の場合には、比較的若い世代に起こりやすくなっています。
小脳梗塞の治療と予後
小脳梗塞の治療では、水頭症の有無と脳幹を圧迫しているかどうかで手術か保存療法を選択することになります。
保存療法が可能な場合には、血栓を溶かす薬や脳の浮腫を抑える薬などいくつかの薬剤を組合わせた薬物療法を行います。
手術では開頭外減圧手術という方法がとられます。
水頭症を合併している場合には、ドレナージという外科手術を行う必要があります。
ただし、小脳梗塞は手術後の予後は良好なことが多く、後遺症が出ないことも多いようです。