クモ膜下出血とは?
脳は外側から硬膜、くも膜、軟膜という3層の膜に覆われています。
くも膜と軟膜の間は脳脊髄液という液体が流れており、この部分に出血するのがくも膜下出血になります。
原因疾患としては脳動脈瘤が約80%を占めており、若年者の場合は脳動静脈奇形が多いです。
40歳~50歳代で多いとされていますが、どの年代でも起こりえます。
男女比では男1:女2で女性に多いとされます。
クモ膜下出血の症状
クモ膜下出血の特徴的な症状は
「突然の今まで経験したことのないような頭痛」です。
この頭痛は頭全体に起こることが多いですが、前頭部の眼球後部におこることもあります。
頭痛は数時間で消失することもあれば、何日か続くこともあり、また出血の量が多ければすぐに意識が消失するケースもあります。
「今まで経験したことのないような痛み」ではないこともあり、前兆として軽い頭痛があり、その後に再出血として激しい頭痛がくることもあるので注意が必要です。
また頭痛のほかに嘔吐やめまいなどの症状もあります。
クモ膜下出血後は再出血に注意
脳動脈瘤破裂後、30%は1ヶ月以内に再出血するとされています。
特に発症後24時間以内が最も多く注意が必要でしょう。
脳動脈瘤の大きさが9mm以上では76%、9mm以下では43%とする報告もあり、再出血の確率が高いことがわかります。
クモ膜下出血の原因
脳動脈瘤といわれる血管にできたこぶのようなものが破裂するという事が考えられています。
このこぶが出来る理由として脳動脈の中膜が先天的に欠損していて、その脆い壁に後天的な高血圧によって圧力が加わり動脈瘤が形成されます。
高血圧の人がこのクモ膜下出血にかかりやすいということはデータとして出てきているので、
まず高血圧というのは、この症状を引き来起こす主たる要因の一つと考えて良いでしょう。
血管の中にこぶがある状態で圧力の高い血液が流れてくれば、それは当然破裂しやすい状態になるという事は想像できるところです。
クモ膜下出血の予防と対策
クモ膜下出血の原因の主たるものが高血圧にありますから、まずはこの血圧が高い状態というものを出来るだけ避ける必要があります。
その為には、食生活で塩分を出来るだけ控えめにするという事を考えるべきです。
概して言うと、生活習慣病といわれるような要因のほとんどが高血圧に関係してくる事になると考えられますから、
こうした生活習慣を見直して、適度なバランスの取れた食事をするという事と、喫煙をしないというのが大原則となると考えて良いでしょう。
クモ膜下出血の予後
クモ膜下出血の予後不良例はおよそ40%であり、他の脳出血に比べると確率が高いことがわかります。
また、クモ膜下出血の死亡率はおよそ10~67%と報告されています。