クモ膜下出血の合併症である脳血管攣縮の症状、原因、治療をまとめました



クモ膜下出血後に併発する脳血管攣縮とは?

脳血管攣縮は、クモ膜下出血後に脳の血管が縮んで血液の流れが悪くなることが原因で引き起こされます

クモ膜下出血を発症して数日から数週間の間に起こることが多いです。

クモ膜下出血を発症したときの出血の量が多ければ多いほど脳血管攣縮が起こりやすくなります。

クモ膜下出血の合併症として引き起こされる確率は30~70%で、症状のあらわれ方にも差が生じます。

症状が出ないこともありますし、重い脳梗塞の状態に陥ることもあります

50年くらい前からクモ膜下出血の後遺症であることが認められていますが、

長い間研究を重ねてきても決定的な予防方法や治療方法は解明されず、

厄介な合併症として取り扱われています。とても難しい疾患です。

脳血管攣縮の症状

脳血管攣縮の症状についてですが、脳梗塞と同様の症状があらわれます。

血管が徐々に縮んで細くなり血液の流れが悪くなってしまいます

血液の流れが悪くなることで、意識を失ったり記憶障害を引き起こしたりろれつが回らなくなる言語障害を

引き起こしたり体が麻痺して動かすことが出来なくなってしまったりなどの症状が出ます。

激しい頭痛や吐き気や視力障害や意識障害などのつらくて重いクモ膜下出血の症状が出た数日~数週間後に、

またつらくて重い脳梗塞の症状があらわれるということになります。

症状のあらわれ方には個人差があり、全く症状があらわれない人もいれば重症化する人もいます。

クモ膜下出血を発症した後にはこのような後遺症が起こり得るということをきちんと理解しておきましょう。

 

 

脳血管攣縮の治療

脳血管攣縮の治療についてですが、専門的で特化した治療方法や薬などは存在しません。

投薬などの内科的な治療が行われます

そのためクモ膜下出血後はHCUなどのなにかあってもすぐに対応ができる病棟に2週間ほどはいないといけません。

 

症状があらわれた際は、脳血管撮影を行って状態を把握し、場合によってはカテーテルを用いて縮んで細くなった血管を拡げるための薬剤を投与することもあります。

 

血液の流れを良くするための治療です。

クモ膜下出血を発症してから数日から数週間後に脳血管攣縮を発症し、

適切な治療によって症状が安定すれば合併症を乗り越えることが出来たということになります。

この脳血管攣縮を乗り越えると、正常圧水頭症という合併症が待ち受けています

正常圧水頭症は脳血管攣縮に比べて重症化しにくいので、脳血管攣縮を乗り切ることが重要なポイントとなります。





リハビリ特化型ブログ「リハビリの一助となりますように」






セラピスト向けに日々の臨床で使える知識・技術をお伝えしています。介護福祉や退院後に利用できる施設を解説している記事もありますので、一般の方もぜひご覧ください!