脳卒中(片麻痺)のリハビリはなぜ必要なのかを解説します




なぜ脳卒中患者にリハビリをするのか

脳神経は虚血状態に極めて脆弱で3分ほどの血流障害(虚血)により神経細胞は死滅してしまいます。

死滅した脳神経細胞は再生成しないのです。

(最近では極一部の部位のみ再生が認められる場合もあるが機能を回復するほどのものではないとされている。)

死滅した脳細胞が復活するわけではないのになぜリハビリをするのでしょうか。

神経細胞の死がその機能の完全な喪失を意味するのであれば障害は一生残るはずです。

ではなぜリハビリをするのでしょうか。

急性期の脳損傷の回復

急性期の場合は二つの条件(出血と梗塞)により回復のしくみに違いがあるが、

どちらも可逆性(一度機能が停止した神経細胞が再度元の機能で機能し始める!)が関与しています。

急性期の脳出血の場合時間経過と共に病変部位周囲に浮腫や脳血流低下、もしくは脳圧の上昇を生じ虚血状態に陥ります。

ペナンブラと回復の関係性

脳梗塞では脳梗塞の周囲にペナンブラと呼ばれる領域ができます。

このペナンブラ領域は機能の障害を受けるが細胞は死滅しておらずごく少量の血流増加により回復が見込まれる領域のことをさします。

急性期での機能回復はリハビリの効果よりも早期治療によるこれらの

死滅していないペナンブラ領域の機能障害の受けた脳細胞の自然回復によるところが大きい

といえるのです。

 

この時期のリハビリでは機能回復の意味よりも廃用症候群の防止と、機能障害となる『学習された不使用』を防止することにあります。

※学習された不使用とは非麻痺側を主に使用することで徐々に麻痺側を用いる機会が失われ、

麻痺側を用いることがなくなりネットワーク再構築の妨げとなることです。

亜急性期から回復期の脳の可塑性変化

亜急性期から回復期にかけてのつまり脳障害後3~4週後の機能回復は脳の可塑性が関与している。

機序としてはもともと存在していたネットワークが血流低下などにより抑制されていたものが顕在化されたり、

本来副次的に働いていたネットワークを用いることによる機能代償、または機能動員によるものと考えられます。

高度の神経細胞障害はリハビリによる五感刺激や学習を通して新しい神経回路の獲得やシナプスの形成が起こるので、

神経可塑性を介した神経ネットワークの再構築により数か月かけた機能回復が起こりうると考えられています。

機能再構築は、病巣の周辺や同側の大脳半球、体側の大脳半球など広範囲で再構築がなされます。

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まとめ

冒頭で述べたなぜリハビリをするのかという問いにたいして、

 

・急性期では脳の可逆性の裏で進行する廃用症候群や麻痺側への刺激量の急激な低下を予防し亜急性期から回復期以降での機能回復の阻害因子を取り除くこと

・亜急性期から回復期以降では脳の可塑性による回復が見込めるため新しい脳のネットワークの再構築の賦活することと

 

 

ネットワーク再構築には筋肉活動だけではなく神経線維を刺激する五感を利用した刺激入れや生活環境などが必要となります。

これがリハビリをすることを大きな目的といえるでしょう。





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