脳卒中で尽きない疑問、麻痺は治る?
脳卒中に伴う麻痺は脳損傷の大きさによって異なりますが、自然治癒とリハビリで一定の回復が期待できる場合があります。
リハビリを行わないことで発生する関節のこわばりによって生活の質を低下させることは避けたいことから
脳卒中の症状が落ち着いた頃にできる限り早い期間から開始するのが重要ですが、
逆に無理をして関節を痛めてしまうことがあれば手足が回復してきても思うように動かせないのであれば本末転倒です。
症状が発生した直後ではその後どこまで回復するのか予想は難しいため、一般的には麻痺に対する訓練と残された能力を回復する訓練が行われます。
麻痺を治すには川平法がいい?
促通反復療法、通称川平法は鹿児島大学の川平和美教授によって生み出されたもので、
治療者が指の動きなどを指示するのと同時に促通操作を行うほか、
専用の機器による電気刺激や訓練用ロボットを使用して患者が目標としている運動を実現する方法です。
これらにより脳卒中が原因で壊れた神経を迂回して新たな経路で脳からの命令を届けて、麻痺の改善を行います。
2005年に発表されて以降、全国のリハビリテーション科でも採用実績があり、麻痺を治す新たな方法として注目されています。
再生医療で完全に治るのか?
骨髄幹細胞の移植による麻痺の治療は、2017年から北海道大学病院において脳梗塞急性期に対する治療として医師主導治験が開始され、手術を受けた患者さんの予後も良好のようです。
ただし、この治療法は麻痺の治療の決定打として一定の効果が期待できる一方で、現時点ではまだまだ研究段階であることは考慮しなければなりません。
今後は今回の治験の結果を受けて再生医療法等製品の承認を目指しており、近い将来の実用化が期待されています。