クモ膜下出血後に併発する正常圧水頭症とは?
クモ膜下出血の合併症には水頭症と脳血管攣縮があります。
脳神経の疾患の中でも正常圧水頭症は、脳の中にある脳脊髄液が何らかの原因でうまく吸収されない状態になっていることを意味しています。
そして脊髄液が増えていって脳を圧迫して機能を著しく低下させるのです。
水頭症とは水に圧迫されることによって頭蓋骨の中の圧力が高まり、脳室が拡大される状態を示しています。
さらに、「正常圧」と言葉がつきますが、これは一度拡大した脳室によって測定していた圧力が、
脳室が拡大していくことで圧力は正常な値に戻ってくることをいうのです。
このように、正常圧水頭症は、深刻な状況に至るケースも多いため、
自覚症状を感じたらできるだけ早い段階で専門性の高い医療機関を受診することが何よりも大切といえます。
正常圧水頭症は、特発性と続発性の2種類があり、症状に合わせた治療が効果的といえます。
水頭症の症状は?
水頭症の三兆候としては、
●歩行障害
●尿失禁
●認知症
の症状が挙げられます。
足が開いて歩幅が狭くなり、すり足のように歩くようになります。
また、立ち上がった時にふらついたり、転倒しやすくなる場合も多いです。
水頭症が進行すると尿失禁が増えてきます。
トイレを我慢できなくなり失禁してしまう人も多く見られます。
さらに、注意力や集中力を保つことができずに散漫になる症状が目立つのです。
声をかけられてもぼーっとした反応が遅れたり、何事に対しても関心を持たなくなり意欲の低下につながっています。
こうした兆候に気づいたら、早めに経験豊富な専門医に相談することが肝心です。
水頭症の治療には早期発見をすることが非常に重要といえます。
水頭症の治療
水頭症を治療するなら、最新の設備が整っている脳神経外科のある医療機関を選ぶことが大切です。
歩き方がおかしいなどの自覚症状をしっかりと伝えておく必要があります。
さらに、脳内に溜まっている髄液をシリコン性の管を用いて他の場所に流れるように行われるシャント術が効果的です。
頭から腹部、心臓や腰椎など三つのタイプがありますので、それぞれの患者に合ったシャント術を選ぶと安心といえます。
このように、水頭症を根本的に治療するためには、適切な外科手術が役立ちます。
術後は軽い散歩やストレッチなどのリハビリを積極的に行うことによって、ゆっくりと症状が改善に導かれることが多いのです。
定期的な受診を心がけることも肝心です。