しびれってなに?
しびれというのは何も起こっていない状態にもかかわらず刺激を感じている状態が続くことを言います。
しびれが強い場合は痛みを感じることもあります。
正座を長時間にわたってしていると足がしびれることもありますが、それは同じ姿勢を続けていたことによって血行が不良になるからです。
脳卒中でも後遺症としてしびれが残ることもあります。
しびれには神経障害性のものと非神経障害性のものがあります。
脳が勘違いをしてしまってしびれと錯覚するケースもあるので、適切な治療を受ける必要があるといえるでしょう。
後遺症として残ってしまった場合は完治が難しいかもしれませんが、緩和できる可能性があります。
感覚障害によるしびれ
人間の体には神経が張り巡らされており、何かが当たったりすると反応する仕組みになっています。
神経に刺激があると脳までその情報が送られ、そのことで「痛い」「くすぐったい」などの感情が生まれます。
しかし、感覚障害によって正常に感覚情報が処理されないと感覚情報をしびれとして錯覚し、それがしびれの原因になります。
この場合は勘違いしているのは脳なので実際にしびれが起こっている場所を治療しても解決しません。
脳が勘違いする原因を取り除くか、緩和するかといったことが重要となります。
また、しびれをきたす部位として視床の損傷が頻度として多いとされます。
視床は感覚神経の中継点であるため、ここの損傷によりしびれがおこるとされます。
なかでも視床痛とよばれるものはメカニズムは明らかになっていませんが、強い痛みとしびれがおこります。
運動麻痺によるしびれ
人間は脳からの指令が神経を伝って全身の筋肉に伝えられる仕組みになっています。
脳や脊髄などにトラブルがあると筋肉への指令が伝わりにくくなります。
すると筋肉の動きが通常よりも鈍くなっていきます。
筋肉は動かなければ動かないほど固くなっていき、硬くなったことでさらに動きにくくなるという悪循環に入ってしまいます。
筋肉が硬くなると血流が悪い状態になります。
極端に言えば正座をずっとしているような状態になってしまうのでしびれてしまうのは必然的です。
むくみなどの原因にも繋がってしまうことがあります。
逆にむくみを解消することが出来れば筋肉を柔らかくすることに繋がり、しびれを軽減することが出来る可能性があります。
リハビリなどが有効となっています。
・痺れている手足をストレッチする
・痺れている手足の筋肉を揉んであげる
・痺れている手足のむくみをとる
・痺れている手足の関節を屈伸するように動かす
・湯たんぽなどで温める
など
リハビリではなくても家族ができることもあります。
脳卒中後遺症のしびれの治療法
しびれの治療としては筋肉が硬くなっていることが原因であればリハビリが優先されます。
筋肉は動かないと硬くなってしまうのでリハビリを行って動かすことは非常に重要となります。
低負荷の運動を繰り返すことで血流を改善することも出来ます。
リハビリでしびれがとれない場合、感覚障害による神経性のしびれである場合は、
外科手術や薬物療法といった治療になります。
外科手術では
定位脳手術といって、しびれの原因となっている脳組織に電気刺激を加えたり、凝固したりする手術によって治療します。
薬物療法では
・抗てんかん薬
・抗うつ薬
・神経性疼痛緩和薬
・漢方薬
などの薬を使用します。