まずは問診とCT検査で診断する
脳出血の場合は、出血した箇所や出血量により治療方法が異なります。
部位によっては血腫除去やドレナージをする場合もありますし、深部の出血であればリスクが高いため手術適用になりません。
運動麻痺や感覚障害の程度や部位、意識障害なども判断のポイントになります。
また、病前の生活歴、飲酒・喫煙、発作があったときの状況などの問診も行います。
CT検査では、出血している部位は白く映し出されます。
くも膜下出血も白く映りますが、くも膜下は脳の頭蓋骨に近いところなので、脳出血とくも膜下出血の鑑別は容易です。
CT検査に併せて、MRI検査を行うこともあります。
CT検査とMRI検査によってほぼ100%診断をつけることが可能になります。
また、必要であれば脳波検査や脳血管造影検査も行います。
高血圧の有無や出血箇所の数も重要
脳出血では、その後の治療のためにも高血圧の有無や出血箇所の数も把握していなければなりません。
慢性的な高血圧がある場合
慢性的な高血圧があって、その治療がなされていない場合は、高血圧性の脳出血の可能性が高くなります。
被殻出血、視床出血、脳幹出血、小脳出血のいずれかの可能性が高いです。
出血の数が複数ある
血圧が正常である場合は、高血圧以外が原因ということになります。
高齢者の皮質下出血の場合や出血箇所が複数の場合は、アミロイド血管症や出血傾向のある可能性が高いです。
意識レベルが低い場合
意識がはっきりしている場合や傾眠状態の場合は、脳ヘルニアには至っていないと判断します。
脳ヘルニアは脳を圧迫してしまい、他の健康な脳を圧迫して重症化してしまうため注意が必要なものになります。
昏迷(意識はあるが外からの刺激に反応しない状態)、半昏睡(強い刺激を加えると少し反応する状態)、昏睡(意識が消失し、強い刺激にも反応しない状態)の場合は脳ヘルニアに進行していると判断します。
まとめ
・脳出血は、CTとMRIなどの画像診断でほぼ100%診断がつく
・意識障害がある場合は脳ヘルニアに至っている可能性がある